ユリイカ「K-POPスタディーズ」2018年11月号
興奮に打ち震えながら読んだ。
Amazonから届いた箱の1番下から力づくで引き抜いて取り出した。ビオレのハンドソープ泡タイプ詰め替え用二本セットの下にいたもんだからなかなかの力技になった。
まず思ったのは、
みんなBTSの爆発的成功を期にK-POPについて語りたくてしょうがないんじゃないか。って事だ。
いや、それは私か!俺はこの現象こう読むぜ!って言いたがりだもんね!
そんな熱気を感じてる。(特に自分に)
丸山久兵衛さんの『SoulとSeoulをつなげること』では、ブラックミュージックのことはわたしは全然詳しくないんだけど、丸山さんの考察によって、彼らがいかに熱心で関心が高くて高い音楽性を持っているか説得力をもって語られている。あとJ-hopeの話も好き。シンガポールでファンと交流するイベントの時に、イスラム教徒の女性とセルフィ―を撮る事があったらしいのだけど、「みんな、彼女に直接触れてはいけないよ」って注意したそうだ。配慮すごい、偉い。
イケメンで知性もあってとか、所謂スペックとか昔でいう三高?的なことじゃないんだ。あれもできてこれもできてみたいなことじゃなくて。もはや人間として高度なレベルの、まさにアーティストとしてのアイドル像、確立しつつある。
そしてそして、
大和田俊之さんの『博士(アメリカ文学)の異常な愛情』もなんか笑った。ソシのメンバー覚えられなかったとか。娘にかこつけてTWICE見に行くとか。Gleeのマイクがアジア系男子のひとつのステレオタイプ(の過渡期)として語られてるのにも納得だった。
あと面白かったのは、
すんみさん「BTSの生成変化」
『韓国日報』にて「BTSの個性は歌詞」にあるとして、その歌詞のビックデータ分析をおこなっている。
ネガティブな言葉が溢れるBTSに対して、楽しい、スイートなどポジティブな言葉が目立つBIGBANGとTWICE。
(中略)
達筆すべきは、BIGBANGとTWICEがともに「baby」と言う単語を1番多く使っているのに対し、BTSの場合、「私」という言葉を1000回も繰り返していることである。(抜粋)
そーだったんだ!BIGBANG意外とbabyって言ってたんだ!って事じゃなくて。
BTSは「俺ものものになれ」って言う前にまず自分のことを語るっていう、人としてあるべきスタイルを実践していることが判明した。でもこれって難しいことだ。君の事がどれだけ好きかを語ることに終始する曲が多い中で(とくにメロウな曲ほど「この世の何処かにはこんな最高にイケてる美男美女が絶体絶命でランナーしてるってのか…」って常識を打ち破る必要性を感じさせる歌詞とか多くない?)まずは自分について語ること、自分を愛することを語りかけてくれる。泣けるな。
さらにすんみさん、K-POPの広がりに関して、イ・ジヨンの「ネットワークイメージ」というのも引き合いに出していて、
表現者と受容者の境界を崩して、映像芸術の新たな領土を作る。水平的で脱中心的な方向に向かっている。(抜粋)
ええー小難しいけどエモいわー。
うんうん、YouTubeとかSNSで世界は変わったよな。双方向だもんな。
やっぱ普段から漫然と楽しんでいるものに言葉が与えられると、楽しい。
Mステに出られなかった件は完全に日本側からのいちゃもんだから、ここぞとばかりにネットが噴き上がってるの本当に恥ずかしいからやめてほしい。日本に出稼ぎに来させてやってる、って上から目線で彼らを見てるからそうなるんだ。簡単に反日とかって、白黒つけられるほど歴史は簡単じゃないし、日本は植民地にしてたわけだから、それも忘れて日本万歳で来てねって言うの無理があるでしょ。少なくともそこまで求めるのは求め過ぎ。
とにかくBTSを変わらず応援する📣💕
ユリイカ 2018年11月号 特集=K-POPスタディーズ ―BTS、TWICE、BLACKPINKから『PRODUCE101』まで…いま〈韓国音楽〉になにが起きているのか―
- 作者: MOMOLAND,RAINZ,BOYFRIEND,金成玟,ハン・トンヒョン
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2018/10/29
- メディア: ムック
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